ご質問・お答え
(第1部)
糖尿病に関する様々な誤解
糖尿病は本当に怖い病気でしょうか?
そうです、本当に怖い病気です。古い諺にも「同病相憐れむ」とあるように当事者はこの恐怖を よく知っています。まず、病気をよく知ることがこの病気に勝つ第一歩です。糖尿病がなぜ 怖いと言われているのか、4つの理由をあげてみましょう。
1. 糖尿病は自覚症状の無い時点から進行しており、成人糖尿病と診断された時にはすでに 7年前から症状は進行していたと思ってください。過度の疲労感に悩まされて病院を訪れ、 診断を下された時には、多くの場合、病状が既に相当悪化している場合が多いのです。
2. 糖尿病は合併症を伴うケースが多いのです。卒中、網膜炎、心筋梗塞、動脈硬化、 腎臓疾患、壊疽(エソ)などが代表的なものです。血糖値が高くなると血管に障害が起こり、 いろいろの合併症を招きます。合併症が進行すると、失明や身体切断、死亡にまで至ります。
3. 糖尿病の管理は非常に難しく、日々の採血や食事療法、運動療法などは非常にやっかいな ものです。当社が3000人を対象に調査した結果によると、医師から指示された適切な療法を 正確に実行している人は全体の1パーセントにもなりませんでした。その上、食事療法や 運動療法は糖尿病の進行を少し遅らせることはできても、進行の中断や血糖値を 長期的に安定させ、好転させる効果はありません。多くの糖尿病患者は常に血糖測定器、 食品交換表を使い、血糖値が低い時に備えて砂糖も携帯しなければなりません。
4. 糖尿病は直接的、間接的に治療費がかかり、病状が長びくにつれ、費用はかさみ、 合併症も併発してしまうと普通の治療費の3倍はかかるといわれています。これが、 糖尿病はお金持ちの病気といわれる由縁で、本人だけでなく家族への経済的な負担も 計り知れないものがあります。
以上の理由でもお分かりいただけたと思いますが、40歳を過ぎたら特に糖尿病の 予防に心がけ、また、既に糖尿病にかかってしまった方は治療に最善を 尽くさなければなりません。
糖尿病は「お金持ちの病」ですか?
そうです。といってもお金持ちだけがかかる病気という意味ではなく、病気に対して 多額の費用がかかるということです。米国だけでこの費用は年間総額1000億ドルにも 上っており、この金額は全米の不動産全体の賃貸料金に匹敵する額です。米国でも、 上位5パーセントに入るくらいの高額所得者でもなければ苦になる額だといわれています。 糖尿病は「お金持ちの病」といわれるのは、この様に莫大な費用がかかるためです。
若い人は糖尿病になりませんか?
残念ながら、最近は若い年代層にも糖尿病患者数は増加しています。原因は肥満、 ストレス、薬の乱用などがあげられ、特に乱れた食生活による肥満が指摘されています。 若くても糖尿病になる可能性は大いにありますのでご注意ください。
糖尿病患者は管理を正しくすれば大丈夫でしょうか?
糖尿病患者はいろいろな療法を実行することで、健康な人と同じように生活することは可能です。 糖尿病にかかっていても食事療法や運動療法、インシュリン投与などで、普通に生活することが できます。この意味では、正しく管理すればよいことになります。 しかし、これらの療法だけでは糖尿病を治療することは不可能です。これは糖尿病の進行を 遅らせたり、血糖を一時的にコントロールするだけです。糖尿病という病はまだ身体の中に 残っていて静かに進行しているのです。管理だけでは糖尿病から逃げることはできません。 根本的な対策が必要になります。この小冊子には上記の理由から、この根本的対策に関する 最近の実験報告が記載されています。
糖尿病にかかると一生美食ができませんか?
昔は糖尿病についての知識がなかったので、かかると美食が一生できないといわれていました。 特別な薬もなく、食事療法によって進行を防ぐ方法がとられていました。しかし最近では、 食事の量とカロリーをコントロールすることによって、ほとんどの食べ物の摂取が可能に なりました。ただし、ハム、カルビ、油揚げなどの脂肪の多い食品や蜂蜜、砂糖、チョコレート、 ようかんなどの単糖質が多い食品などは避けた方が良いといわれています。要するに、 カロリーに気を付け、栄養的にバランスのとれた食事をすることです。しかし食事療法は 糖尿病の進行を遅らせるだけで、糖尿病自体を直すことはできません。根本的な治療方法が必要です。
ビールは飲めなくても、焼酎、ウイスキーなどは飲めますか?
こんな質問をよく糖尿病患者さんから受けます。ビールには糖が多く入っていますが、 焼酎やウイスキーには少ないので大丈夫だという人もいます。しかしこの説には根拠がなく、 まったくの誤解です。事実は焼酎、ウイスキーなどはカロリーがビールより4倍も高く、 もっと悪いのです。どんな種類のお酒も糖尿病患者には有害です。経口血糖降下薬を服用中の 患者が酒類を摂取した場合は急性アルコール中毒症や急激な低血糖になる恐れがあります。 糖尿病患者の多くは肝臓病も併せ持っていることが多く、この様な患者が酒類を摂取した 場合は肝臓機能が麻痺する可能性が出てきます。またある薬品は酒類と併用することに よって効果が無くなります。
蚕の粉末が糖尿病に効くのでしょうか?
韓国と中国では、糖尿病患者の半数が蚕の粉末を使っています。これは科学的に根拠の あることです。蚕の粉末は食物中の澱粉質が消化されて糖に分解される時に、その消化過程を 止める作用があります。ですから、蚕の粉末は血糖降下に役立つことは確かです。 しかし蚕の粉末は相当な副作用を伴います。それは、この粉末には他の消化活動をも 止める働きがあるからです。蚕の粉末を常用している人は腹部にガスがたまり、下痢や他の 消化不良も誘発します。長期間服用している人は風邪などもひきやすくなり、全般的に 免疫機能が低下します。このように蚕の粉末は一時的には血糖値をコントロールできますが、 根本的な治療にはなりません。また副作用も多く出てきます。
高麗人参は糖尿病に効果がありますか?
はい、あります。高麗人参にはサポニンという成分が含まれています。 サポニンは体内に入るとインシュリンの分泌を促進する作用があるので 血糖コントロールには効果があります。しかし最近になって、サポニンによる 血糖コントロールには問題があるとの発表がありました。まず、第1にサポニンによる 血糖コントロールは15〜45日までの短期的な効果しか望めません。長期間服用しても、 中止すると15〜45日で効果は消滅します。第2は、サポニンによって強制的にインシュリンを 促進させた場合はベータ細胞を衰弱させることにもなりかねません。でも、高麗人参は身体に 良い健康食品です。糖尿病患者にも長期的な服用が推薦されています。しかし残念なことに、 高麗人参を長期間服用しても糖尿病を根本的に治療することにはなりません。
糖尿病には特効薬がないのですか?
糖尿病患者がよく耳にする言葉に「糖尿病には特効薬がない」というのがあります。 専門家でさえこの様な話を持ち出します。ですから「「墓に入るまでよく管理せよ!」と いわれるのです。簡単に特効薬が無いと言われる理由は次のようなことからです。
糖尿病の長い歴史のなかで、多くの糖尿病の薬が開発されました。世界中で1500種ほどの 糖尿病薬や、糖尿病のための健康食品、また伝統的な療法があり、その中には、科学的に 効果が証明されているものも多くあります。しかしこの様な薬や健康食品では2、3の部分的な、 しかも短期的な効果しか望めません。さらに副作用や耐性もあり、安全で長期的服用ができ、 糖尿病を直す薬や健康食品はありませんでした。
理想的な薬や健康食品とは、次の7つの条件を満たさなければなりません。
1. 科学的に効果が証明されていること。
2. 副作用が無いこと。
3. 部分的な効果ではなく、全体的に効果を発揮すること。
4. 身体全体の健康も改善すること。
5. 耐性が無いこと。
6. 短期的な血糖調整効果と長期的な根本治療効果もあること。
7. 一般の人が常用できること。
今までの薬と健康食品では上記7つの条件のうち、3つか4つを満たす物はありましたが、 7つ全部を満たす薬や健康食品はありませんでした。そのため、糖尿病には特効薬が ないといわれてきたのです。
糖尿病は不治の病ですか?
糖尿病は決して不治の病ではありません。良い薬と良い健康食品を服用し健全な生活習慣を 守れば、ほとんど全ての糖尿病は安全に根本的治療を行うことが可能です。最近、学界でも 上記7つの条件を満たす物質があると言うことが認められてきました。この小冊子は最近学界でも 認められた上記7つの条件を満たす根本的な療法について書かれています。
(第2部)
糖尿病に勝つためには糖尿病を知ることが大切です。
尿に糖が出ると糖尿病でしょうか? 必ずしもそうではありません。私達の体内の尿の糖と血糖との関係を理解しなければなりません。 血糖の糖が正常値を超える時、糖は尿より排泄されます。尿内に出された血糖が「尿糖」と 呼ばれています。それで尿糖が高いと血糖も高いと推測することができます。しかし尿内の 尿糖の量だけでは糖尿病を診断することはできません。なぜなら正常な人でも時によっては 尿内に糖が排出されることがあるからです。また糖尿病患者でもある値(180mg/dl)を超えない 場合、尿より糖尿が排出されません。昔は血糖を測定できなかったので尿糖を計ることで 糖尿病を診断していましたが、現在は血液中で血糖値が正常値以上になることを糖尿病と 呼んでいます。今は糖尿病を「糖血病」と呼ぶ方が正しいという医者もいます。
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