2012年4月9日月曜日

下肢静脈瘤 日帰り手術 レーザー治療 血管内レーザー治療 無侵襲診断 静脈専門


下肢静脈瘤とは足にできる静脈のこぶのことですが、これを持っている方がとても多いことは意外に知られていません。実際の欧米での調査では、下肢静脈瘤を持つ方が2人に1人いるというほどです。一般には女性に多いとされていますが、実際には男性にも認められます。この病気になると、足にやわらかい静脈のふくらみができるので自分で発見するのは容易ですが、まったく症状がなかったり、季節や仕事環境の違いで症状があったりなかったりするために、実際に医師の診察を受ける方が少ないようです。しかし、そのまま放置すると、こぶが大きくなり足が重く感じたりするようになるだけでなく、静脈機能がかなり悪化してしまうと、なんと皮膚病(湿疹、色素沈着、皮膚潰瘍)ができたりするのです。ですから、実はい いタイミングで治療するべきなのです。ところが病院に行ってみたのに、医師の診察が終わった途端に「はい、手術です。入院です。」と唐突に言われ、たいへんびっくりしたので治療をやめたという話をよく耳にします。実は、手術だけが治療法ではありません。「切らずに日帰りで治せる治療法」があるのです。そのひとつが、こぶに液体の薬を注射して固める「硬化療法」です。これは3分くらいで終わる簡単な外来治療法です。保険も使えて経済的です。しかし、この治療法で、こぶは固められますが、血液の逆流があるタイプに施行した場合、この逆流を止めるほどの効果が得られず、すぐ再発してしまいます。そこで開発された方法が、「血管内レーザー治療」というものです。これは、逆流している静脈の内側でレーザー照射 し、発生した熱で縮めて血液を固めフタを作ってしまい、逆流を完全に止めてしまう画期的な方法です。治療は局所麻酔下に行い20分くらいで終了して、すぐ歩いて帰ることができます。傷がほとんどなく美容的にも優れています。2011年から日本でも、ある1機種を用いたものであれば保険適用となり、多くの患者さんが受けられるようになりました。同じ麻酔法を用いた「すぐ歩けてすぐ帰れる手術法」も考案され、歯医者さんのような感覚で、保険を使って外来でしっかり治せるようにもなっています。なお、専門のクリニックであれば、診断もエコーを用いて簡単にできますので安心して受診できます。この病気になったと自覚された方は、一度静脈専門の医師の診察を受けるとよいと思います。


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旅行の時に突然に起きる怖い病気のひとつが「静脈血栓症」です。この病気は、静脈の中に血液の固まりができてつまってしまうというものです。できやすい場所は足のふくらはぎの筋肉内で、じっとしている時にできやすいといわれています。なぜかというと、じっとしているとこの筋肉が縮んだりふくらんだりしないので静脈の血液がとどまりやすく、とても固まりやすい状態になってしまうからです。そして歩き始めた時に、この血液の固まり(血栓)が血流にのって心臓に運ばれ、さらに肺の血管に流れていくことがあります。肺の血管はだんだん細くなるので、小さな血栓でも血管をつまらせることがあり、次々とつまってしまうとあっという間に心臓が止まって突然死することもあるという恐ろしい病気です。「肺塞栓症」 ともいいます。このようなことが飛行機に長時間乗ることで起きるものが「エコノミークラス症候群」です。最初は、狭くて身動きのしにくいエコノミークラス搭乗者に発生しやすいということで「エコノミークラス症候群」といわれましたが、ビジネスクラスやファーストクラスの搭乗者にも起きるので「ロングフライト症候群」ともいわれるようになりました。実際は、長距離バスに乗っている時にも起こることがあり、この場合は「旅行者症候群」といいます。このように、起きている病気は同じですが、原因の違いから病気の名称が違うのです。なお、この病気は足の静脈がボコボコふくれる「下肢静脈瘤」になっている方におきやすいといわれていますので注意して下さい。予防するには、水分をよくとるとか足をよく動かすこ� ��で簡単に予防できますが、とくに下肢静脈瘤の方は予防専用の弾性ストッキングをはくことも非常に有効です。ストッキングは、女性用だけでなく男性用もあります。静脈専門の医師やきちんとはき方を指導してくれるストッキングコンダクター(日本静脈学会認定)に相談して、適切なものを選んでもらうことをお勧めします。

これは下肢静脈瘤と思われます。よくお年寄りの方に見られるので、老化現象だと思っている方もおられますが、実は40歳くらいから増えてくる病気のひとつです。といっても、急に悪くなるものではなく慢性的に少しずつ悪くなります。ですから、なかなか症状が現れず、ついつい放置しすぎて悪化させてしまうことがありますので注意が必要です。女性に多いですが、実際は立ち仕事をしている男性にも多く、重症化して湿疹や潰瘍ができる方や黒くかたい部分ができて痛くなる方もいます。このようになる前に、まず静脈の専門医師に診察していただくことをお勧めします。

この方の病気は、どうも「下肢静脈瘤」のようです。実際に静脈が走っている深さは個人差がありますので、大きなものでもあまり目立たないこともあります。逆にすごく目立つ場合でも、症状を感じない方は長ズボンやスカートで隠していることが多いようです。しかし、時に痛みを生じることがあります。これは瘤の中に血液が充満し血液のかたまりを作って静脈炎が起きることが原因です。時にかなりの激痛となる場合や太い中枢の静脈の近くにできると血栓の一部が肺に流れていって肺塞栓症を生じることもあります。ご心配な方は、静脈の専門医師に診察していただくことをお勧めします。


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下肢静脈瘤は、立ち仕事や重いものを運ぶ仕事の方によくみられます。そのような仕事の負担が足の静脈を痛めてしまうのです。痛んだ静脈を最も確実に治すのが手術ですが、多忙のため入院できない方はきちんとした治療が受けられませんでした。そこで開発されたのが日帰り手術(デイ・サージェリー)です。最近では、体制の整った専門医療機関であれば、従来入院が必要であった手術を来院してから歩いて帰るまでに2時間くらいで終えて、さらに術後仕事をすることも可能になっています。多忙な方や体の負担を軽く治療を受けたい方は、下肢静脈瘤日帰り手術を行っている専門医師に相談してみてはいかがでしょう。

下肢静脈瘤の原因である静脈逆流を止めるための標準的治療法は手術です。しかし、近年の社会環境の変化も伴って「仕事を休みたくない」「入院したくない」「簡単に治したい」と思っている方が多くなってきています。そのような方にとって最適な方法が「日帰り手術」ですが、これには2つの方法があります。ひとつは逆流の中枢で静脈をしばる「高位結紮術」です。しかし、この方法は数年後に再発が多く生じる問題が指摘されたため、現在ではエコーを用いて適切な位置3〜4カ所に印をつけて手術をしないと成績が悪くなるといわれています。それに血栓性静脈炎が発生しやすいことにも注意が必要です。もうひとつの方法は、最も成績が良好である「静脈抜去術(ストリッピング術)」を従来の麻酔法(腰椎麻酔や全身麻酔� ��ではなく、新しい麻酔法「TLA麻酔(低濃度大量浸潤局所麻酔法)」で行うものです。この麻酔法は、エコーを用いることで静脈周囲に確実に麻酔液を注入することにより、長時間(約10時間)麻酔が効いているので術後疼痛が少なく、またすぐ歩くこともできます。なお、すぐ歩けることの利点は、もともと静脈血栓ができやすい下肢静脈瘤の方にとって肺塞栓症の予防となることです。

下肢静脈瘤の診断において最も重要なことは、どの静脈に血液逆流があるのかはっきりさせることです。なぜかというと、この逆流を止める治療することで、足が楽になったり軽くなったり瘤が小さくなり根本的に治るからです。以前は、足の甲の静脈に針を刺して造影剤を注入しレントゲン写真を撮る静脈造影検査での診断が主流でしたが、最近では超音波検査で精度の高い検査ができるようになりました。さらに、この検査に習熟した専門医師であれば、逆流診断以外に静脈の太さや広がりを地図のようにとらえることもできるので、正常の部分をきちんと残す正確な治療ができます。

これは「空気容積脈検査」のことで、ふくらはぎに空気の袋をつけて行うものです。この袋が血液の逆流やむくみなどによる圧力の変化を感知し、連結されたパソコンで容積の値に変換するものです。例えば、足がむくみ、重だるさを感じている下肢静脈瘤の患者さんがAPG検査を受けると、1〜2分でその重症度を数値で示すことができます。重症でひどい逆流があれば、その数値がかなり上昇することになります。そして、手術や血管内レーザー治療の後に検査すれば、きちんと治ったか簡単に確認できます。この検査は、他にも静脈血液をくみ上げる筋肉ポンプの働きをチェックできますので、気になる方は一度受けてみてはいかがでしょう。


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これは、血管内でレーザーを照射し固めて治す「血管内レーザー治療」のことです。ソーメンくらいの細いファイバーを血管内へ挿入し、その先端からレーザー照射を行うと静脈が縮んで細くなり、そして血液が変化し「のり」のようなフタになります。これにより、静脈弁の故障による血液の逆流が消失し、下流に血液が貯まらなくなります。その結果、瘤が縮小するとともに足のだるさ・むくみ・痛みなどが消失します。麻酔は特殊な局所麻酔法(TLA麻酔)で行うので、治療終了後すぐに歩いて帰れます。手術を受ける決心がつかない方や切りたくない方にとって考慮すべき治療法のひとつです。

レーザー治療は皮膚の切開をせずに細い針を穿刺し、そこからソーメンくらいの細いファイバーを静脈の中に挿入し治療しますので、傷がないのが特徴です。したがって、治療後の傷の手当はまったく必要ありませんし、翌日から湯船に入ることもできます。一方、手術の場合は、必ず皮膚の切開が必要になります。ただし、傷の縫合や管理の方法により毎日の消毒や抜糸は不要となり、翌日からシャワー浴もできます。いずれの治療でも、最新の方法であれば、すぐに歩いて帰れる日帰り治療として行えます。どちらの治療法が最適かについては静脈の専門医師とよく相談することが勧められます。

下肢静脈瘤の薬で最も効果的なものが「弾性ストッキング」です。したがって、これを「はく薬」ともいいます。これをはくと、ふくらはぎに貯まりすぎた血液をくみ上げてくれるので、とても足が楽になり、むくみも簡単に解消されます。しかし暖かくなると、はきづらくなりやめてしまう方が多くなります。でも実は、暖かい時の方が、静脈の逆流や貯まる血液量が増えるので症状が悪化しやすいのです。ですから、本当にはくべき時期は夏場なのです。最近、夏でもはきやすいように薄い生地で作られたものも入手できるようになりましたので、お困りの方は静脈専門医師や弾性ストッキングコンダクターに相談してみて下さい。

弾性ストッキングは、スーパーマーケットにも売っていますが、医療用とは異なるので注意が必要です。医療用は、足首の部分が最もきつく、上の方にいくにつれてゆるくなっているので、履くだけで静脈血がどんどん流れます。下肢静脈瘤の方は逆流した血液が足に貯まりすぎの状態になっているので、これを履けば血液がくみ上げられ、足が軽くなり、むくみ等も改善されます。しかし、実はいくら履いても瘤そのものは治りません。なぜかというと、脱いでしまうとすぐに血液が逆流し貯まってしまうからです。したがって、逆流を完全に止めてきちんと治すには、手術や血管内レーザー治療が必要になるというわけです。

標準的な下肢静脈瘤手術は、瘤ができる原因である血液の逆流が存在する静脈を抜去するというものです。すると、この部分に血液が流れなくなります。この点を心配される患者さんが多くおられますが心配ありません。なぜかというと、流れなくなった血液は、足のいろいろな部分にある穿通枝(せんつうし)という細い血管を通り、奥の方を走行する深部静脈へ流れていくからです。ですから、深部静脈が詰まっていない限り、手術を受けても問題ありません。それどころか血液逆流が消失し足に血液が貯まらなくなるので、血液の流れはかえって良くなり、だるさ・痛み・むくみなどの症状が改善します。


この治療法は、硬化剤という液体の薬を、注射器で瘤内に注入するというものです。注入した薬剤が、静脈の内膜に軽い炎症を起こさせ、その作用が血液に波及し血液が固まることで、瘤を硬化させるという治療法です。硬化した部分は最初コリコリしていますが、数ヶ月でだんだん縮んで消失していきます。外来で麻酔をせずに5分くらいで終わる日帰り治療です。治療後は弾性包帯を巻いて圧迫します。のりが付いている自着性の弾性包帯であれば、どんどん動いても、2日後に除去するまでズレルことは通常ありません。治療後は、よく歩いて水分摂取を行うことで、深部静脈の血栓を予防することが大事です。

硬化療法は、液体の硬化剤をコブに注射し固める治療です。注射の針はかなり細いものを用いるため、穿刺の痛みはほとんどありません。硬化剤は液体の薬なので、静脈瘤の形に制限なく曲がりくねった部分であっても容易に注入できます。特に、太ももや膝の裏側などに好発するクモの巣状の静脈瘤は、あまりにも細いので手術的に摘出することは困難です。このような場合は、硬化療法が最も適しています。クモの巣状のものは、貯まる血液が少ないのであまり症状ありませんが、細いがゆえに赤っぽく見えて外見的に大変目立ってしまうので、気になる方は硬化療法で治せる可能性があります。

下肢静脈瘤の原因は、静脈弁が壊れて起きる血液の逆流です。血液が逆流すると足の下の方に血液が貯まり、血液のうっ滞が生じます。まさに、足に血液がありすぎ病になっているわけです。そのため、表面の静脈に圧がかかり瘤を形成するだけでなく、足が重だるく感じたりもします。さらに、膝下の部分が腫れて、むくむ症状が出現することがあります。このような方が、適切な手術を受け血液逆流が止まると、血液がありすぎないようになり、足が細くなることがあるのです。実際に、術後に手術していない足より細くなり、患者さんがびっくりすることは度々あります。

下肢静脈瘤の日帰り手術が午後にある場合は、朝食をしっかり食べても問題ありません。朝のくすりも、特別な指示あるもの以外は、いつものように服用することが大事です。例えば、血圧の薬を服用していないと、手術中に思わぬ血圧上昇が生じることがあるからです。なお、午前中に通常の仕事や軽い運動は手術の妨げにはなりません。昼食は食べずに手術を受ける必要があります。これは、満腹状態で手術を受けた場合、万一気持ちが悪くなって嘔吐してしまうと食べ物等が肺へ流れ込む可能性があるからです。さて、水分摂取は手術前から十分行い、脱水状態で手術を受けないようにするべきです。なぜかというと、脱水状態だと術中に血圧が不安定になったり、静脈血栓ができやすくなるからです。工夫された麻酔法により可 能になった術直後からの歩行も、静脈血栓予防に有用です。ですから、最近の日帰り手術の麻酔には、すぐに覚める薬剤や手法が取り入れられています。入浴は、当日はできませんが術翌日からシャワーなら可能です。専用の防水シール等でキズを覆えばぬれる心配はありません。キズの消毒は治ることを邪魔しますので、毎日行う必要はありません。手術翌日から仕事復帰も可能で、若い方ならゴルフなどのスポーツも可能です。


これは「下肢静脈瘤」という血管の病気です。下肢静脈瘤は足にできる静脈のふくらみのことです。この病気は、静脈の弁が壊れて生じた逆流が原因で起こります。そうなると血液が下の方に貯まり、だるさ・痛み・かゆみなどのいろいろな症状がでます。さらにひどくなると皮膚病(湿疹、色素沈着、潰瘍)を生じることもあります。弁がこわれる誘因は、妊娠・出産が多いですが、長い時間の立ち仕事も関係します。この病気は確かに女性に多いですが、意外に男性にもよくみられます。実際は、症状がない方が多く、つい放置してしまうことが多いのが特徴です。最近では超音波検査で痛み無く簡単に診断ができるようになりましたし、治療を受けるにしてもすぐに歩いて帰れる日帰り手術や最新のレーザー治療もあります。心あ たりのある方は、まずは静脈の専門医の診察をお勧めします。

これは、「弾性ストッキング」という下肢静脈瘤やリンパ浮腫の治療に用いる靴下のことです。弾性ストッキングの市販用は「むくみ○○○」などのような親しみやすい名前になっていますが、医療用のものと異なります。実は、足首の所を左右の指でつまんで広げてみて、なかなか広がらないものが医療用です。医療用は、足首の部分がきつく作られていて、上に上がっていくほどゆるくなりようにできています。このような構造により、履くと血液がくみ上がるだけでなく、リンパ液の排泄も促されますので、症状改善に加え、むくみも改善できます。履くと、きつく感じて循環が悪くなると思っている方がおられますが、実は違います。このストッキングには大きさの違いだけでなく圧力の違いもあり、また併存疾患によっては履 いてはいけない場合もありますので、まず静脈やリンパ浮腫の専門医師の診察を受けることが望ましいです。

最近では、「足の静脈エコー検査」と「APG(空気容積脈波検査)」で簡単に痛みなく診断できます。足がだるくなったり、むくむなどの症状を生じる下肢静脈瘤の診断のために、まず必要な検査が足の静脈エコー検査です。この検査は、立ったまま股の付け根からふともも、さらに膝の裏からふくらはぎまで、ゼリーを付けてリアルタイムに静脈を見ていくものです。この時に、流れに色をつけて分かりやすくするカラードップラー法により、血液の逆流や閉塞も調べることができます。でも、この検査では逆流の程度が分かりません。これを簡単に知ることができるのがAPG検査です。これは、空気の袋をふくらはぎに付けて、横になった状態から立った時に生じる血液に逆流を袋が感知し、血液の貯まるスピードや量を測定するもので す。近年、これらの検査は、体の負担が少ない無侵襲診断法として一般的になってきていますので安心して下さい。



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