英国 ファストフードがインターネット広告で肥満防止の戦いをかいくぐる
農業情報研究所(WAPIC)
06.3.27
うつ病についてのジョン·カーワン
英国は、ジャンクフード嗜好と運動不足からますます深刻化する子供と肥満・健康障害問題で苦闘している。今年秋からは学校のジャンクフード販売機設置が禁止される見込みだし、生徒を毎日数時間立たせたままにすることが減量に大きく貢献することが研究で分かったのち、教室から椅子を取り払う方法まで取り入れられつつあるという(Key to fixing childhood obesity - make 'em stand,smh.com,3.27)。子供向けに繰り返し高脂肪・砂糖・塩の食品を宣伝するテレビ・コマーシャルへの風当たりも強まるばかり、業界が自主規制を強化しないかぎり広告規制も導入が不可避の状況にある。
そうしたなか、巨大ファストフードチェーンが、このような動きをかいくぐるインターネットを通じた広告・宣伝に力を入れ始めたらしい。ガーディアン紙によると、ハンバーガーチェーンの広告を含む人気の高いMSN Messengerのブランド・バージョンを作るマクドナルドとマイクロソフトの協定が消費者団体と国会議員の苦情を掻き立てているという。
台所で窒息を防ぐためにどのように
彼らは、英国が子供の肥満と苦闘しているときに、Theme Packと呼ばれるものがジャンクフード広告を推進していると言う。また、広告業界が子供に対する親の監督が行き届かないようにするために、インターネットや移動電話に利用に転換しつつあると心配している。消費者団体は、マクドナルドのMSN Messengerとの協定は、これらの方法がますます想像力に富み、革新的なものになっていることを示すと言う。
MSN Messengerは世界で最も人気の高いインスタントメッセージングの一つであり、英国では1000万人が使用している。広告業者が特定利用者を標的とすることは許していないが、推定80万の18歳以下のユーザーがある。作年のガーディアンの調査では、メッセージングソフト、チャットルーム、eメールを通じて相互通信するために、主として若者がインターネットを利用していた。彼らは平均して週に5時間はこれに時間を費やすという。
子供の肥満率はアメリカ
マクドナルドの報道員は、マクドナルドだけが広告にインスタントメッセージングを使っている企業ではない、MSNでTheme Packsを提供する多数の企業のうちの一つにすぎないと言う。
Internet used to push fast food to children, say campaigners,Guardian,3.27
英国では最近、ジャンクフードがもたらす肥満への国民の関心がとみに高まり、ファスト・フード店の客足が遠のいている。食品基準庁(FSA)もウエブサイト(
Junked: Sales of fizzy drinks and unhealthy foods slump,Independent,3.3
しかし、ジャンクフード、ファスト・フードも生き残りをかけた反撃に出ている。それが提供する食品は"健康的"だという宣伝に余念がない。インターネットがその強力な武器を提供している。ますます広がる戦線、オードックスな"食育"が勝てるのだろうか。
7日に51回の連載を終えた日経新聞の「地球号の今」は、「個人生活のレベルでは環境に優しいライフスタイルがもてはやされ、企業は環境経営への取り組みを競っている。しかし、エネルギー消費は増える一方であり、それと表裏一体の景気回復は無条件に良いことだとされている」、「環境意識とは別のところで、環境破壊を進める強力なマシンが回り続けているということだ」、「危機は足元に火が付くまで分からないというのが人間の習い性かもしれない。我々は多くのことを十分な科学的知識をもって知りながらも、歯止めをかける行動にはつながらない。持続可能な地球号への手がかりはつかめないままだ」と締めくくった。
これは、ファストフードやスーパーが最大の牽引力をもつ持続不能な食料システムにもそっくり当てはまらないだろうか。 マクドナルドも、英国で失った地歩を別の場所で取り戻すだけだ。
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